p15
ぼくがひとつだけ言いたいのは、誰かのために誰かの人生が犠牲になる世界はおかしいということである。/子育てによって、誰かが犠牲になる世界は狂っているのだ。

p34
あの時期にぼくが一番つらかったのは、終りが見えないことだった。/人は期限のない苦労に直面すると無限の苦しみを想像してしまう。

p39
「希望」は人を狂わせる。あわよくば……もしかしたら……人は可能性について考え始めると冷静さを失う。

p44
「習い事なんて嫌に決まってるじゃん。最初は自分がやりたいって言ったらしいけどね。1年後にはもうそんなの忘れてるから」

p45
子供が自発的にやりたいというのなら全力でバックアップしよう。

pp49-50
過去にサラリーマンもやっていたが、とにかく合わなかった。それに比べて無職はしっくり来る。

pp60-61
幼児は数字や時間などといった見えない抽象的なことがわからない。だからとにかく「見える化」したほうが理解しやすい。数を提示したいのならモノをその数用意すべきだし、時計を使いたいなら砂時計を使うべきだ。

p68
家で育児をするとき、妻の目を気にしている……というか、妻との関係性のなかで育児をしている部分が少なからず、ある。[…]育児をしている男性と話すと、
「妻に怒られたくないから育児を手伝っている」
「妻に褒められたいからやっている」
「家庭を円満にするためにやっている」
そんな意見を聴くことが多い。
「あれ? 男って……なんか結局、主体的に育児してないんじゃね?」

pp73-74
いきなり意識を変えてアメリカのように家族ファーストでポジティヴに子育てをするよりも、会社に通勤するようなノリで淡々と処理するほうが日本人向きな気がする。

p81
今おれの頭に3秒で解決策が浮かんだ。

p81
自由業はこういうときにフットワークが軽くて良い。

p83
子供の世界は狭い。目の前の先生が絶対だと思うと、否定されたときに逃げ場がない。

p86
「人が多い休みの日にわざわざ旅行に行くなんてバカでしょ」

p88
妻を休ませたほうが地雷の心配がない。

p91
そもそもこの社会は男子のほうが有利に生きやすいように作られていて、男子はそれに無自覚だ。

p101
「いやあー俺も学校なんて大嫌いだったよー。月曜日が楽しいやつなんてどっかおかしいって。普通普通!」

p103
統計だよ統計。見りゃわかるだろ今流行のビッグデータだよ。こうやってデータをとればスーパーコンピューター(俺の脳)が分析して最適解を出すんだよ。

p105
「報酬がもらえるからする」、というのは「報酬がもらえなくなったらしない」、ということと表裏一体なのである。

p108
男が料理するのはもはや珍しくないはずだが……最近古いアニメを見ているせいか、そういうステレオタイプな家族像をどこかでインストールされたらしい。

p111
掃除後のトイレを使おうとして「今綺麗だから使わないで」と言われたときは、カフカの不条理小説かと思った。

p114
アジアでは、毎日屋台で食事する国も多い。忙しい家庭が毎日手料理を作るのは過酷すぎる。

p115
人間よりも機械を信じるのだ。

p116
このへんの検索は夫にまかせよう。エロサイト検索で鍛えられた力が役立つ時である。

p125
ぼくは子供に、自発的になにかをやって欲しいという願望が強い。だから自発性がないところを見ると、過剰に腹が立つのだ。

p127
「マトモな親」というなんだかふわったとした小市民的で無害な存在になるくらいなら死ぬ。

pp131-132
ぼくは雑学や経験によって得た断片的知識はかなり多いのだが、それを学問的にまとめるのが苦手だ。/その最大の理由は、「断片」をはりつけるべき「土台」がそもそも自分の中に存在していないことだ。/要するに、「年表」や「史観」が頭に入っていないので、雑学的知識を得ても、それが他のこととなかなかつながらないのだ。/逆に、これらが頭に入っていれば、断片的知識が整理されて世界の理解が進む。

p153
「子どもは言葉じゃなくて、メタメッセージ(言葉じゃなく雰囲気)のほうを読み取るから対話が難しい。それを終わらせるには言葉の外__暴力を使えばいい。だけどそれだけは絶対やってはいけない」

p153
子供を叱るときに一発殴れは話が早い。/でもそれでは子供は馬鹿になる。/なぜなら、問題について考えずに、単に暴力をふるえばいいとしか学習しないからだ。

p200
男性社会において、「変化」は「ブレる」ことと混同されがちだからです。

p204
森の妖精のような口調で言うと嫌味がなく効果的です。

p207
ウチは、そもそも指輪を買っていません。邪魔なので。