〔Part 1 からの続き〕
速水 健朗:
文化系トークラジオ Life、今夜は『コロナ下の「新・日常」を生きる』、そういったテーマで赤坂 TBS ラジオ第6スタジオから僕、速水健朗が朝4時まで生放送でお送りしています。
今日は普段よりもたくさんのメールいただいているので、なるべく紹介しながらいきたいんですが、今のパート、リモートワークなんていう、あとオフィスの話であるとかね、新しい協業のあり方みたいな話をしてきましたが。
メッセージ、春コミさん・男性・40 代・フリーエンジニアのかた・埼玉県さいたま市。「2月末からリモートワークしています。在宅勤務が始まった頃は期間限定だし、満員の通勤電車で1時間も過ごさなくていいとか、好きな音楽聴きながら仕事できるぞとか、楽なほうに考えていましたが、このコロナ下で2ヶ月過ごすと正直生き抜くことに恐怖を覚えています。自分はリーマンショックや東日本大震災を経験しているので、経済が低迷して仕事がいつなくなってもおかしくない場、案件が日々減っていく状況で生活――主に仕事ですが――を続ける難しさを経験しています。どうしたら仕事を続けていけるかは職業、業種によって違うとは思いますが、存在価値を少なくてもステークホルダーに認識してもらうしかないかと。小さいことでもいいからプラスアルファ意識して行動しないと流れに飲み込まれて気が付いたら手遅れになります。」
というエンジニアのかたからの通勤の話とね、今の経済状況の話なんかも、ちょっとここから繋がる話なんで読みました。
もう1通いきたいと思っています。マナコさん・女性の方・20 代女性・千葉県の方。「コロナ下で気が付いたことについてですが、私のコロナ下での生活はコロナ以前に構築された人間関係によって支えられていると感じています。私は音大に通っているので、実技の授業が行えないこの状況で休学をするかとても悩みましたが、そのときに相談に乗ってもらったのは大学の友だちや信頼する先生です。対面で会い会話を重ね、自分の話しかたの癖や将来の目標、考えかたについて、ある程度知っている先生や友だちにオンラインのビデオ通話で悩みを相談することで不安を解消したり、相手からのアドバイスを受け入れることができました。このコロナ状況になったのが、もし2年前の新入生の4月であったら今と同じような悩みを相談できる相手はいなかったし、休学する・しないを選択することも難しかったと思います。」
というメッセージです。野村さん。
野村 高文:
そうですね。1番目は重要なことをおっしゃってるなと思ってまして、存在価値を示さなきゃいけないって書かれたじゃないすか。今リモートで働きすぎるっていう問題が起きてると思うんですけど、それって結局は何か成果を示さない、存在価値を示さないと、だんだん自分の立場が弱くなってくるんじゃないかってことを結構不安とか恐れに感じていて、その結果としてたくさん働いてしまうということに繋がってるのかなっていうふうに思ったので。
速水 健朗:
働きすぎで、早くもちょっと支障出てきている可能性ありますよね。そしてもう一つ読んだほうが、いわゆる今のね、これから1年生っていう人たちと違って、ある程度人脈ができてたり、自分のパーソナリティーを知ってもらっている人たちに相談できることの有用さみたいな話。
野村 高文:
そうですね。リモート時代の人間関係構築ってのは本当に難しいなって思いますね。
速水 健朗:
新しい出会いが少なくなってるなかで、どう古い知り合い、リソースを活用するかって、価値が上がってるってことですね。
野村 高文:
そうですね。先ほどの会議での無駄の効用みたいな話もありましたけど、今はオフラインで作った人間関係の貯金で、なんとかオンラインでやり取りをしてるんだろうなと思ってるんですけど。あれがオンライン主軸になってくると、いったいどうしていったらいいんだろうかってのは考えるテーマだなとは思っています。
速水 健朗:
まったく新しく作ることできるんでしょうか、ということも気になる。
もう1通いきたいと思います。これは今メッセージ来たので、これ名前がない、東京都在住の男性のかた。「お話をお伺いしておりますが、みなさん全員口だけで仕事ができる人たちですよね。口だけで仕事する人の理論。手を動かして物を運んだり、人間を診察して病気を治す人には全く関係ない話。料理を作ったり家具を作ったりする人たちに関係のない話。Zoom だのなんだの結局お遊びの延長で仕事ができる人、恵まれてますよね。皆さん都合のいい意見しか採用も議論もされないと思いますが、一言申し上げておきたくメールします。」
という東京都在住の男性からいただきました。本当にありがとうございます。
まさに口で仕事ができる、Zoom でできる。置き換え可能な仕事とそうではない、そうではないとこにエッセンシャルワークといわれるものはたくさんあるのが事実ですよね。
はい。こういう意見も読んでいきたいと思います。そうじゃない論者のかたもできれば出していきたいと思うんですが。
ここからはですね、また NewsPicks の常連というゆかりのかた、繋ぎたいと思います。エコノミストで Good News and Companies 代表取締役、昭和女子大学研究員などを務める、崔真淑さんです。こちらも野村さんと一緒にお話うかがっていきたいと思います。崔さん、こんばんは。
崔 真淑:
こんばんは、よろしくお願いします。
速水 健朗:
よろしくお願いします。今の経済の状況についてなんですが、企業ファイナンス専門ということで、今の企業の状況で崔さんがどう見てるかってあたりからお話伺ってよろしいでしょうか 。
崔 真淑:
はい。今日本経済を引っ張っていくような大企業含めて、上場企業中心の話になるんですが、最近決算書がたくさん出てきたんですね、上場会社から。それを見てみると、今日本企業全体がこうなっているのかって姿だったんですね。何かっていうと、「まったく先が見えません」なんですね。
日本の上場企業の場合、今期1年間業績の予想はこんなふうになりますよっていう数字を出すことが慣習としてあるんですよ。ただ、それが大企業を中心に、数期の業績見通しはもうわけが分からないので出せませんって言った企業がたくさんあったと。
一方で、少ないんですが出してきた企業がいくつかあったんですね。例えば百貨店であるとか、ユニクロを経営しているファーストリテイリングとか、そういったところは業績の「今年こんなふうになります」って予想を出してるんですけど、小さく注意書きがしてあるんですよ。その注意書きには何が書いてあるかというと、「業績の見通しはこう出してはいるけれども、一応下期、年後半からは、もうコロナウイルスの影響が落ち着いて急回復する、V 字回復するよってことを今は考えてはいるけれども、大幅に変化する可能性もあります」って書いてあるんですね。
速水 健朗:
小売り流通みたいな百貨店も含めてですが、まずお店を開けるかどうかっていう状況の見通しが今できないってことですよね。
崔 真淑:
そうなんです。本当におっしゃるとおりで、街であるとか、インターネットのニュースであるとか、テレビを見てもわかるとおり、お店を開けれませんっていう百貨店であるとか小売店が大量にあるし、じゃあそれをいつ開けたらいいのかってことも分からない。で、もしかしたら感染症の影響も第2波、第3波があるかもしれないっていうことで、すごく先が見えないって考えてる企業が多い。そうすると先が見えないっていうことは、経営者はどう考えるかっていうと、「あ、まずは会社を存続させなきゃいけない、じゃあ設備投資は? 人材は?」っていうふうに、これから動き出すんじゃないかなっていうところで、少し懸念があるなっていう感じですね。
速水 健朗:
設備投資と人材の部分をどう今後していくってことですか?
崔 真淑:
直球で言ってしまうと、先を見越した未来に対しての投資を多くの企業が少なくしたりとか――。
速水 健朗:
先送りすると。
崔 真淑:
うん。そして人に関してもリストラっていうことが、起きてはほしくはないけれども、徐々に出てくるだろうなという、そういう動きですね。
速水 健朗:
なるほど。それが今の決算書から見えてくる、日本の大企業であると。
崔 真淑:
なので、一応見通し出しているところは「下期から回復します」って言ってはいるんですけど、ほとんどの企業はそういう見通しすらも出せてないっていうそんな状況ですね。
速水 健朗:
はい。まずこの状況がどうなるか予測からしないといけない部分と同じ――大企業って特にね――同じことを続けていくぶんには見通しができるけど、まったく新しいことを始めるっていうことは、もちろん決算書に書けるわけはないわけですよね。
そのなかで日本企業がこれからある程度、新しいことをやっていこうっていう流れみたいなものって、どう見えてくるもんなんでしょうか。
崔 真淑:
これは本当に一部の事例なんですけど、私が見ている限り、その決算書にしても私がインタビューした会社に限っては、今はとにかく耐えるのみって考えてる会社が多いですね。で、なんで耐えるのみで新しいことをしないと決めてるかっていうと、「やっぱりアフター・コロナのときに取り返そうよ」っていうのが前提にあるんですよ。
でも一部の企業は、「いやいや、アフター・コロナがすぐ来るとは限らない。むしろウィズ・コロナがこれ長引く可能性があるし、自分たちのビジネスモデル、変えなきゃいけないんじゃないの。人と接触しなくてもやっていけるようなビジネス今から作らなきゃいけないんじゃないの。」って動き出している企業もやっぱりあるんですね。
で、どこだっていうと、私面白いなって思ったんですけど、メガネスーパーっていう会社がありまして、眼鏡屋さん。眼鏡屋さんが老眼鏡とか補聴器をご高齢のかたの自宅に届けるっていうことを日常として、サービスとしてされていたんですが、いよいよみんながほんと出歩かなくなるし、老眼鏡であるとかそういう物の需要もどんどん減るっていう形になると、ちょっとこれどうなるか分からないっていうことで、じゃ今、買い物代行の需要が伸びているから、眼鏡屋さんだけれども、買い物代行であるとか、そういった買い物の代わりに自分たちが買いますよっていう、そういうサービスを始めますって言ってたんですね。
お買い物代行サービス|メガネスーパー 眼鏡(めがね、メガネ),コンタクト,サングラス,補聴器販売
https://www.meganesuper.co.jp/shopping_svc/
速水 健朗:
へー。
崔 真淑:
なんか「えっ」って。この眼鏡屋さんが買い物代行って意外だったんですが。
速水 健朗:
選択と集中とか、コア・コンピタンスとかっていうこととは全然逆の、「できること他もやります、いろいろ挑戦します。」みたいな流れに切り替わるっていう可能性が企業にあるってことかな。
崔 真淑:
本当にそうだと思います。で、今までは株式市場に上場したいって考えてる会社がいたり、株式市場に上場するっていうことは、「効率、絞る、生産性命。いろんな商売やるなんてナンセンス」っていう波があったけれども、絞りすぎたがための反動が来ちゃったねっということを、いろんな企業が今痛感していて。
私すごく印象的だったのが、日本電産の永守さんのあの発言ですね。「やっぱりこれまでやってきたことが全部正しいと思ってきたけど、違うんだってこと、今反省してる」っておっしゃったのが印象的で、ある意味この新型コロナウイルスの影響っていうのは、この経済の影響っていうよりも、資本主義の対しての価値観であるとかそういうものを変えうるような、そんなインパクトがあるのかななんて、私としては思ってます。
速水 健朗:
すごい大きい話で資本主義の終焉的なことって、定期的に大きいこと言う人たちがいるし、今までいたんだけど、本当にそれが先送りしてきたものを目の前に今突きつけられている状況はあるのかもしれないですね。
崔 真淑:
そうなんですよ。本当に変わってきてる、目の前にっていうところで、日本電産のかたの話だけじゃなくて、例えば株式市場で投資家って言われるかたがいるんですけど、機関投資家っていう。例えばヘッジファンドとか、アクティビストとか、物言う株主とかいうかたがたがいるんですが、すごい最近驚いたニュースがあってですね。世界中で、特にアメリカなんかはリストラというか失業者が急増しているわけですねと。日本でもそうなりそうだという流れあるなかで、海外のそういったプロの投資家たちが声明を出しているんです。「もう配当とか利益よりもまず雇用を守ってください」っていう、投資家がメッセージを出していたんですね。
速水 健朗:
おそらく日本でもちょっと雇用調整助成金とか、企業、大企業を中心に、まあ中小もそうかもしれない、とにかく雇用を守るってところに、政府もしないなりにはしていると思うんですよ、対処を。
逆にフリーランスとか、例えば飲食店とかそういうところに今回も思い至るのが遅いんじゃないかって批判を受けていたんですが、雇用を守るって、日本とは違った――日本だったら日本型の経営者が雇用を守るためにどうするっていうのが最初の発想なんですけど――アメリカのいわゆる投資家たちも雇用が大事だっていうふうな声を上げてるんですね。
崔 真淑:
そうなんですよ。
速水 健朗:
意外ですよね。
崔 真淑:
もう意外すぎて、いわゆるイギリスであるとか、アメリカのプロの投資家がまさに言っているっていうのが、株主に分配される利益とか、社会の利益の源泉って結局雇用者が生み出すものだっていう認識を、今多くの人たちが私も含めて再認識しているんだなっていう感じですかね。
速水 健朗:
いわゆる労働者も含めて社会を維持するっていうことを最優先するみたいな意識にすらなっている。
崔 真淑:
そうですね。命あっての経済だし、雇用があっての経済っていう感じなんですかね。
速水 健朗:
そして、崔さんが気になっている部分、若年層が投資を始めている人が多いって話あるんですか。
崔 真淑:
そうなんです。経済が乱高下しているなかで、「乱高下しててこんなに株が下がってる。なんか物の値段が、金(きん)が上がってる。あ、自分も儲かるかしら」っていうことで。
速水 健朗:
ビットコインでみんな知ったやつだ。
崔 真淑:
そうそう!
速水 健朗:
乱高下するほうが市場はおいしいって人たちがいるわけですね。
崔 真淑:
そうです。その流れからか、某あるインターネット証券会社の口座件数がかなり増えたというのが報道されてまして。
速水 健朗:
それはどう見ますか?
崔 真淑:
私としては自分のお金を社会に還元する意味も込めて、投資をするっていうのは素敵なことだと思いますし、私自身ももちろん可能な範囲でさせてもらってるんですけど。今回の新型コロナの株の乱高下のときに、金の乱高下のときに、口座が増えたっていうのは、これは社会への還元とかそういうことではなくて、たぶん一攫千金を狙ったかたが多いのかなって思ったんですね。
若年層のかたから質問を受けることもあるんですけど、「いつ買えばいいですか」「何買えばいいですか」っていう質問が多くてですね、最近。それが分かったら私こんなコメンテーターとかテレビとかラジオのお仕事してないですよって言うんですけど。
速水 健朗:
自分で買いますよね、それはね。
崔 真淑:
なのでお伝えしたいとしたら、経済が不透明っていうことは、先行きも分かんないし、経済に連動する株価も、例えばいろんな雑誌で今が買いどき、あーだこーだって言っても、今は少しずつ買ってくださいってことをちゃんと伝えときたいなってとこです。一攫千金は狙わないでっていう感じですね。
速水 健朗:
あくまでも社会参加の一つの手法、方式として投資ってのはありますけれど、乱高下している市場に乗っていくってことは非常にリスクも大きいし。そこで必ずしも自分が思ってる結果を得られない人たちが増えること、真面目に働けよじゃないですけど、そういう親心みたいなものも出てきますね。
崔 真淑:
私自身が実はそういうことを大学生のときにしてとても大変な目に遭って、そこから今の経済学を学びたいみたいなところに至ったんで。
速水 健朗:
じゃあいいじゃないですか。みんな痛い目に遭って勉強しましょうっていうのも。
崔 真淑:
ただね、これ若年層のかたが痛い目を見るならいいんですけど、ご高齢のかたが持ち金全部っていう話になると、とてもかわいそうなことになるので、まあそこはという。世代によっても投資参加はぜひ考えてくださいという感じですかね。
野村 高文:
たしかにそうですね。一つ伺いたいのが、日本企業がもともとすごい量の内部留保を持っていたじゃないですか。ある意味、コロナの前まではそんな貯め込んでないで、どんどん投資にまわさなきゃっていうような風潮だったじゃないですか。一方でこのコロナになってくると、逆にそういう風にたくさんお金を持っていたっていうので助かってるっていう面もあるのかなと思うんですけど、そのあたりっていかがですか。
崔 真淑:
本当にその通りです。今何が起きてるって、内部留保も含め現金をたくさん持っていたような企業が相対的に評価が高まっていて、これまで何でもお金を持つなっていうことで株主に全部還元しろって言って、株主にお金出しすぎた企業が今大変なんですね。例えばアメリカの航空会社のあそこですね。えっとー。
速水 健朗:
ボーイングですか。
崔 真淑:
そうです、ボーイングです。ボーイングなんかも株主還元しすぎて、っていうことも言われたり。あとは株主還元しすぎてアメリカのスターバックスもちょっと危険なんて言われてるんで、おっしゃる通り、世の中の風潮に合わせないスタンスって大事で。そのスタンスに合わせずに抵抗し続けているなって思う会社は、任天堂ってところだと思うんですよ。
野村 高文:
んー、任天堂。
崔 真淑:
あの会社は資産に占める現金比率は約4割ってのを維持してるんですね。これは株主とかプロの投資家からすると、「現金持ちすぎだ」「もっと吐き出せ」ってずっと言われてたんですけど、「いやいや、ゲームっていうのは当たるか当たらないか分かんないんだから、もしもに備えて現金を持つことが妥当なんです」ってずーっと丁寧に説明し続けて評価されていて、そして今さらに再評価されているっていう意味では、自分の信念を貫くって大事だなと、改めて思うなっていう感じです。
速水 健朗:
もうみんな「どうぶつの森」やっていて、そこで家を拡張するために借金をしたりっていう経済のやり取りをやってますよね。
野村 高文:
そうですよね。経済を学ぶゲームですよね。
速水 健朗:
崔さん、どうもありがとうございました。
崔 真淑:
ありがとうございました。
速水 健朗:
またぜひよろしくお願いします。
崔 真淑:
お願いします。
速水 健朗:
株主、いわゆる関係性であるとか経営者の哲学がここにきて見えてきている部分とか変わった関係性みたいな話を伺いましたが、charlie に話を一旦戻したいと思います。
charlie:
今の崔さんのお話で、最後に出てきた内部留保ね、キャッシュを持ってる会社が強いっていうのは、今そもそもやっぱり資本の動きが流動的なので仕方がないんですが、そもそもなんでそう市中から資金を調達することができるようになってたかっていうと、手持ち資金が少ない人でも事業を始められるように、今でいうとクラウドファウンディングとかもそうですけど、そういう手段があるわけですよね。
速水 健朗:
誰でも今会社を立ち上げられる状況にどんどんなっているってことだよね。
charlie:
そうそう。リスクを取りさえすればね。言ってみればそういう手持ちの資金が少ないなかでも一発チャンスを当て込んで「このタイミングで俺のアイデアで世界を変えるぞ」みたいな、そういうことができるのが ICT のいいところでもあったんですけども、いわゆる IT ベンチャー、一攫千金みたいなのも、「いや、キャッシュないんじゃ無理だよー。オフィスも貸せないよ。」って話になってくると、ちょっとそれはそれでもったいない感じがしますよね。
速水 健朗:
なるほど。この時間ですね、これ野村さんちょっと曲を選んでもらって、再び後半にいきたいと思うんですが。
曲紹介、なぜこの曲なのかも含めてお伺いしたいんですが。
野村 高文:
そうですね。もともとすごく大好きな曲なんですけど、特にこのコロナの現状ですと日々を大切に生きようって思いになってるじゃないですか。
速水 健朗:
まあねえ。曜日感覚ずれて分かんなくなってますけど、だからこそ今日は何曜日だって自覚していきましょうみたいなのを、僕はいつも感じている。
野村 高文:
本当にそうですよね。結構人生のなかの日々ってあっという間に過ぎていって、特に全盛期だっていう時期って本当に一瞬だなっていうことを、まだ私 30 代なんですけど――。
速水 健朗:
いくつでしたっけ?
野村 高文:
まだ 33 なんですが。
速水 健朗:
じゃあまだこれからじゃないですか、もう。
野村 高文:
これから来るといいなと思うんですけど。なのでそんなようなことをすごくメッセージとして突き付けてくださっている歌ですね。とういうわけで紹介してよろしいですか。椎名林檎さんで「長く短い祭」。
〔Part 2 はここまで〕